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隠さなきゃ


 つい昨日の夕方まで、本記事は

 

『もうティラノフェス閉幕だし、自作「隠さなきゃ」の裏話でも書くか。フェスが終われば遊んでくれる方もいないだろうし、そろそろ何書いてもオッケーでしょ』

 

というコンセプトで下書きを認めておりました。

 

 どうしよう。

 そんな場合じゃなくなった。

 

 ひ、ひとまず動揺が錯乱混乱してあわわわやべえどうしようなので、まずは予定通り隠さなきゃの裏話的なネタバレあとがきを書きます。

 

 もし今後「隠さなきゃ」を遊ぶかもしれないよ、という神のような方がいらっしゃいましたら、お花の画像が出現する箇所まで高速でスクロールしてください。

 

 

↓↓↓(一応)ネタバレ注意↓↓↓

 

 

   ↓4↓

 

 

 

   ↓3↓

 

 

 

   ↓2↓

 

 

 

   ↓1↓

 

 

 

   ↓0↓

 

 

↓↓↓それでは、ほぼメモみたいな乱筆ですがどうぞ↓↓↓

 

 


 

 

【ネタ決め】

 

 ティラノフェス参加の経緯は以前のブログの通り。行き当たりばったり。

 フェス〆切1か月くらい前からシナリオを書き始めた(遅い)。

 

 当時頭の中にネタとしてあったのは、

 ・隠さなきゃ

 ・アドヴェント・カレンダー(12月に公開した第2作)

 ・まだ見ぬ長編×2

の4つ。

 

 長編はいきなりは無理だと悟り、アドヴェントは時期外れ且つそれなりに長くなりそう……。

 その点、隠さなきゃであれば(まだシナリオや構造は決まってなかったものの)雰囲気的に、あまり凝った演出はいらないだろう、と。

 立ち絵やデザイン性のあるUIはかえって邪魔になるだろうと思えたので、スクリプトの難易度的に、初めに挑戦するのに適していた。

 あと、この頃はまだ15分~30分程度の短編になると信じていたので……。

 

 ネタを思いついたきっかけは、作者の子供時代、勉強している振りをしながら漫画を読んでいた頃を思い出して。

 勉強せず漫画を読んでいることを隠しつつ、勝手に漫画を持ち出していることを隠しつつ、突発的な事態に備えてカモフラ勉強具を配置しつつ、何も成果がないと怪しまれるので適度に勉強もしつつ、持ち出した漫画は寸分違わず元の場所へ戻し……そんなスリリングな勉強タイムだった。

 たぶんバレてたと思う。

 ちなみに読んでいたのは湘南純愛組!ワイド版全15巻など。私の不良イメージは完全にこれ。

 

 作品にしようと思ったのは、トゥルーENDでの主人公・鈴元 理恵(44)の最後の台詞を思いついた瞬間。

 なのでラストシーンが先に決まり、そこに至るまでの道のりを後から考えた感じ。

 この台詞とほぼ同時に、タイトルが「隠さなきゃ」に決まった。

 ラストの台詞と対応が良く、作品全体の流れと整合がとれているため。

 

 

【隠さなきゃ】

 

 はじめは7章予定だった。

 月曜日から日曜日まで、というマザーグース的な感じで。

 日曜日=葬式、でちょうどいいやと。

 しかし『隠す→選択肢(ほぼ)総当たり』の流れを7回やるのは普通にクソだるかった。ので、きりよく4章にカット。

 それでもなげえ、と思ったが、子供時代のほのぼの(?)隠し事から大人時代の闇深い隠蔽行為への落差を出すためには、最低4は必要だった(というのは作者の筆力の問題かもしれない)。

 あと単純だけど、4=死、みたいなホラーっぽさも出るかなと。

 

 選択肢の数は、

 

・4章で初期4→最大8

・3章で初期3→最大6

・2章で初期2→最大4

・1章で初期1→最大2(+トゥルー1)

・0章で選択肢なし

 

となっている。

 これは大人になるにつれて固定観念に染まって自由な発想を失っていき、可能性が狭まり、歩める道が少なくなっていく……みたいなことを表現したかったため。

(実際には、大人になってむしろ金と時間が増えてはっちゃけるパターンもあると思う。急にゲーム制作始めたりね!)

 各章の選択肢数はシナリオを書く前のプロット段階で決まったが、この時点ではまだ普通に1章から始まって4章で終わる予定だった。

 

 感想でたくさんの方に驚いていただけて嬉しかったのが、良いENDがサブエンドで進むほどバッドENDになるという構成。

 しかしこれは正直偶然の産物というか、逆に必然というか……とにかく私の発想力が神だったとかでは全くないので申し訳ない。

 過大評価(と自分で言うのも調子乗ってるけど)すぎてめちゃくちゃ恐縮である。

 

 何しろ着想の段階でもう隠し続けた先のトゥルーENDが決まっていたので、派生させるとしたら隠せなかったパターンのENDにするのが自然だった。

 オール成功でトゥルーEND。対して、1度でも失敗するとゲーム終了。

 

 でもそれ……別に良くない?っていう笑

 子供の隠し事なんてバレて怒られるまでがセットでしょ、と。

 幼児が嘘をつき出したら悲しむよりも「隠し事ができるようになるなんて、大きくなったなあ」と思うような、当たり前のことで。

 それよりもバレなかった、隠せてしまった、気づかれなかった方が悲劇だと思う。

 

 とそんなわけで自然とサブエンド=良いENDという流れに。

 正直、奇抜で面白いかも!と思ったのも真実。

 そしてここまで来て、選択肢の減少、ENDの逆転、という要素をさらに強化すべく章数も逆転させる発想に至った。

 

 他に感想で嬉しかったのが、SEが豊富と褒めてもらえたこと。

 が、残念ながらこれも完全に偶ぜ……いや目論見通りである、うん。

 BGMの種類が少なすぎた&地の文がなかったので、場面の雰囲気を表現するために自然とそうなった。

 

 地の文をなくしたのは、その方がリアルっぽかったのと、シナリオのテンポを良くしたかったから。

 普段から高尚な本を読む人には、私の未熟な日本語など読むに堪えないだろう。

 一方、(自分のように)ゲームや会話多めなweb小説・ラノベなどの文に慣れている人にとっては、地の文が長いと退屈かな、と。

 

 

【テーマ】

 

 母と娘、というテーマは初めは意識していなかった。

 しかしシナリオを書き進めるにつれて、意識せざるを得なくなった。

 何しろ鈴元 理恵は極度に内向的で、交友範囲が狭い。

 なので隠し事をする相手すら、家族くらいしかいない。

 あと正直、そのくらい狭い人間関係の方が短編(失笑)作品として描きやすかった。

 

 そして大前提としてある、ラストシーンの台詞。

 これは隠す相手=母がいなくなったことで出る台詞なので、これをラストに持ってくる以上、母をテーマにせざるを得なくなった。

 

 ……と、このあたりでタイトル画面及びエンディング画面のデザイン(とも呼べないようなシンプルな絵)が決まった。

 ゲームスタート時には分からなくても、最後まで読み進めてあのタイトル画面が出ると「ああ、そういうテーマだったんだな」とわかるように。(実際、4章のシナリオを書いてる時点ではテーマ意識してなかった。)

 

(余談。あとは私が好きな乙女ゲームに、母と娘の関係性がキーになっている作品があり……。「母娘という関係性が作品テーマになり得る」という大元の発想はこの作品から来ている。乙女ゲームとしてはなかなか尖った作品だったけど、非常に印象深かった。あとヒロインが面倒くさくて大好き。残念ながら公式ページはもうない。)

 

 

【理恵と兄と違い】

 

 母親に対して感想が割れたことに、フェス開始当初は驚いた。

 プレイヤー次第、とくに家庭観によって大きく変わるのかなと。

 実際にお子さんがいたり、それなりの年齢だったりして、親目線かどうかも大きそう。

 自由に受け取っていただいて構わないが、作者個人としては誰かを悪者として書いたつもりはない。

 

 理恵がどうしてああいう性質になってしまったのか。

 これも遊んでいただいた方各自で好きに考えてくださって構わないが、一応作者として「こうじゃないかな」と思っているのは、教育の難しさ故。

 兄と理恵があまりにも違うタイプすぎたのが原因のひとつ。

 理恵の母親は、やんちゃな問題児の兄に相当手を焼き、結果、かなり強めに躾けた。(4章・隠さないENDなど。)

 兄のような子にとっては、それくらいで丁度良かった。

 が、初めての子育てがそれだったことから、二人目の子にも同じようにしてしまった。

 ところが理恵は兄と違って内向的かつ従順で、圧力に弱い女の子だった。(4章・ウサギENDなど。)

 数ある派生ENDでは「隠せなかった」ことによって、母親(または兄・父親)がそのミスに気づき、徐々に理恵への接し方を変えていくため"ハピエン”となる。

 

 8割以上ハピエン、ということは8割以上において理恵は更生する。

 さらに言えば、兄はENDに関わらず立派に育つ。(1章など。)

 なので、決して子育てのプロというわけではない、未熟な大人の一人に過ぎない母親としては十分な範囲だと思っている。

 

 ……というのを表現するため、理恵と兄の二人のことは最後まで対比させたつもり。

 兄の彼女(のち妻)や子供のことを無駄に会話に出したのも、対比のため。

 

 

【理恵と母の違い】

 

 =理恵&母と母&祖母の親子関係の違いでもある。

 母親が理恵や兄の教育に厳しめだったのには「祖母のようにはなるまい」という感情があったから、というのもある。

 理恵が最後まで母に従順だったのに対して、母は祖母に反発して家を出ている。

 どちらかというと理恵より兄の方が母似。(3章など。)

 

 ……正直、母を二人兄妹の妹としたのは失敗だった。

 この設定にしたのは、1章と0章の葬式における状況をリンクさせる(『兄が喪主を務める母親の葬式に参列する娘』)ためだけだった。

 しかし、理恵が甘ったれな末っ子タイプなのに対して、母はどちらかというと常に気を張っているしっかり者の姉タイプ。

 どう考えてもミスマッチだった。反省。

 

 ちなみに1章で書いたように、祖母が何を思って高木さん(たぶん誰も覚えてないと思うけど介護職員の女の子)にああいうことを言ったのかは彼女にしかわからない。

 たぶん大きな意味はない。

 

 

【トゥルーENDはノーマルENDくらい】

 

 ここからは小ネタを。

 

 0章まで辿り着く2つのENDは、両方ともある意味“解放”を表しているので、実はそこまでバッドENDだとは思っていない。

 とくに、トゥルーENDの背景が白いのはその表れ。

 母娘両方とも生きているうちに折り合いをつけることは敵わなかったものの、一方がいなくなることで新しい世界への一歩を踏み出す。

 犯罪を犯している以上グッドとは言えないが、悪いENDだとは思っていないし、シナリオ書いてる当時はまじでハピエンだと思って書いていた。

 本来、悪化した関係に対する一番手っ取り早い解決法は『離れる』なので。(1章・サブENDなど。)

 

 

【0章突然のサスペンス展開について】

 

 

 上記の理由でトゥルーENDは個人的には悪いENDだと思っていない。

 とはいえ、せっかくやり込んでくださったプレイヤーに対してカタルシスもクソもあったもんじゃねえ。

 トゥルーがこんなんでいいのか。

 

 そんなわけで、せめてもと……何とか理恵の罪(というか刑期)を軽くしようと頑張った。

 

 ・あれは完全に事故である。(理恵に殺意はなく、突発的な事態。)

 ・どっちかというと先に手を出したのは高木=相手である。(理恵も腕つかんで引っ張ったけど。)

 ・はじめに高木に頭を殴られた際、頭を打ったことで(理恵に自覚はないが)思考力が落ちていた。

 ・高木の死因となった大きな石(元々高木が理恵を殴ったあと地面に捨てたもの)には高木の指紋しかついていない。

 ・石には理恵の血もついている。(正当防衛っぽく見える。)

 ・高木の腕に残った皮膚片やゲソ痕などから、二人が争った形跡はあるものの、理恵の殺人あるいは殺意の証拠となるものはない。

 ・しかしその場にいたにも関わらず、少なくとも死んでいる(かもしれない)高木を放置して姿を消したのも事実。

 ・高木は天涯孤独の身であり、遺族はいない。

 

 適当に以上のことを考えてみた。……が、やっぱり殺人は殺人(致死&死体遺棄)だわ……。

 

 ちなみに、事件当時の捜査では理恵の犯行とまで断定できなかったため、0章で刑事は「容疑者」ではなく「重要参考人」と言っている。

 

 「隠さなきゃ」をノベコレへ投稿する際、ジャンルに迷った。

 ホラー要素ないし、ファンタジー要素もないし、でもその他ってのもなあ……あとドラマって何だ……?

 

 結局、0章にわずかにあるサスペンス要素から「サスペンス」ジャンルへ登録した。

 今思うと全然サスペンスじゃなかった。すみませんでした。

 隠さなきゃの正しいジャンルは、今でも分からない。

 

 また余談だが、作者はサスペンスドラマ好きである。

 京都迷宮案内とか赤い霊柩車とか終着駅とかはぐれ刑事とか相棒とか。

 しかし推理力はゼロのため、だいたい「あの俳優さんがこんなチョイ役なのはおかしい……あやしい!」みたいな推理をする。

 

 

【幻の山END】

 

 ボツになった幻のEND。

 3章に「電車で隣町の海へ行って叫ぶ」というENDがあるが、似たような導入で「バスで隣町の山へ行って神隠しに遭う」というENDを考えていた。

 最終的には、3章の選択肢数・最大6に収まらなかったためカットされた。

 

 カットした理由はもうひとつある。

 

 シナリオを書き始めた当初は、若干ホラゲーっぽい雰囲気もありかな?などと考えていたが、蓋を開けてみたら4章から0章までファンタジー要素のほとんどないリアル路線となった。

 唯一のファンタジーが、この3章・山ENDだった。

 結局全体のリアルな雰囲気を統一するため、山ENDはボツになった。

 

 しかしこの山END、そもそも何故考えたかというと、0章での理恵が18年もの間どこで何をしていたのか?という疑問への答えのつもりだった。

 それまで普通に過ごしていた女性が、いきなり18年間も警察から逃げおおせるものか、と。

 その解決法が、山……隠国(こもりく)のような異世界にいた。という突然の和風ファンタジーである。(隠国にいたため、母の死がわかった。)

 

 0章で自殺を思いとどまった理恵が、海辺に車を止めて立ち去るシーン。

 あれは、本当は海ではなく山の予定だった。(背景も3章に合わせようとしていた。)

 結局、山ENDがなくなったので、代わりにこのシーンの背景は海となった。

 

 まあどうせ大したシナリオでもなかったので、山ENDがなくなったことは全く惜しくないのだが、しかしそのせいで理恵の空白の18年間に無理が生じた。

 警察機構からすら隠し通した女……という別のファンタジーを生んでしまった。

 

 

【讃美歌312番(テーマBGM)について】

 

 好きな讃美歌は結構多いが、実は312番「いつくしみ深き」は個人的にはあまり……ゴホゴホ。

(余談ながら、次作アドヴェントのテーマにした109番「きよしこの夜」も実はあまり……ゴホゴホ。)

 

 好きな讃美歌を使った讃美歌ゲーのネタは別に頭の中にあり、それに312番を積極的に起用する気がなかったので、隠さなきゃに使ってしまおうと思った。

 ……すみません。

 いやでも、お粗末ながら編曲をしてみて、さすがに名曲だなと改めて実感(弁明)。

 

 BGMは当初、この「いつくしみ深き」を載せているフリー素材サイトからダウンロードしようと思っていた。

 が、たまたまサイトか回線の不調でダウンロードできず。

 その時もうフェス〆切2週間前とかだったのもあり、何を思ったか「じゃあ自分で作るか!」と。

 何故作れると思った。

 

 メロディーラインに適当にコード(和音)を当てはめ、自分なりにソプラノ・アルト・テノール・バスの4パートソプラノ・アルトの2パートに各音を割りふっただけの、編曲ともいえないようなお粗末なアレンジ。※3/9修正 テノール・バスを追加したのはアドヴェントで使った際でした。間違えました

 一応自分で考えたが、正直、讃美歌集の影響は否めない。

(これが人生初・編曲となり、「あれ? わりとイケるくない?」と調子に乗った結果アドヴェントでは最初から自分でアレンジを考えることとなった。)

 

 期間が短かったのもあり、超シンプルな楽器違い3種類だけのBGMに。

 まあこの作品に華やかなBGMはいらないかな、とも思い。

 

 個人的に、音楽はこだわりたい派。

 音源としてのクオリティという意味ではなく、こめられた意味や歌詞と作品のリンクに対して。

 この曲をメインとする決定打になったのも、原曲「What a Friend we have in Jesus」の詩が母親のために綴られたものだと知ったため。

 

 讃美歌にこだわったのは自分が好きだからというのと、トゥルーENDのレクイエム的な意味をこめて。

 

 

【豚汁について】

 

 ネタ元は、作者のおふくろの味です。すみません。

 

 ティラノフェス開幕後、半月程してからトゥルーENDバッジを実装したため、それ以前に遊んでくださった方には大変申し訳なかった。

 

 バッジの名前を豚汁にした理由は、母親の思い出の象徴。

 トゥルーENDのあと、そして312番教会バージョンのあと、さらにカーネーションのタイトル画面のあとに表示されるバッジ取得画面なので、やはり母親との関係を表すものがいいと思った。

 母親を慕う気持ち、母親への感謝の気持ち、母親への罪悪感。

 それらの象徴で、なおかつゲームに登場するものだと、豚汁が適当だった。

(カーネーションも考えたが、本編中に登場しないので。)

 バッジの説明文もそのコンセプトで書いた。

 

 

【その他】

 

 2章導入及びオレンジ色選択肢のシナリオは、8月のとある深夜の3時に泣きながら書いてた。

 「私はいったい……明日も仕事なのに何故こんな辛い話を……こんなド深夜に書いて……」と思いつつ、筆が乗っているのでやめられなかった。

 翌朝(当日)は爆鬱かましながら出勤した。

 もう二度と書きたくない。

(この反動もあり、「次は明るい主人公で明るい話が書きたい!!」となってアドヴェントに着手した。)

 

 

 あとは……。

 

 もしかしてお察しの方もいると思うが、数々のハピエン、もといサブENDの中には作者の経験談も一部ある。(すみません。)とくに4~3章。

 だがもちろん、ここまでのベリーハードな人生は全く歩んでいないので安心して「隠さなきゃ」を遊んでほしい。

 

 

 ※※※後日追記※※※

 

 色々と書きそびれたことはありまくるのですが、これだけは追記しておかねばならないと思った↓↓↓

 ↑↑↑追記以上です。

 

 お粗末様でした。

 


 

 

↑↑↑ネタバレ終了↑↑↑

 

 

 

 以上、隠さなきゃネタバレあとがき、というか裏話でした。

 長かった。お疲れ様でした。

 またそのうち何か思いついたら加筆するか、別の記事に書くかも。

 

 

 この「隠さなきゃ」を制作/投稿する動機となった『ティラノゲームフェス2020』が閉幕を迎えました。

 過去最高545作品もの応募、過去最長5か月間もの開催期間。

 運営に携わった皆様におかれましては本当にお疲れ様でございました。

 

 そして……。

 

 昨日発表されたティラノゲームフェス2020結果発表において

 拙作「隠さなきゃ」に審査員特別賞をいただきました。

 

 本当に驚きました。

 

 グランプリがどれになったか、(めちゃくちゃ納得のグランプリでしたね!)

 自分が登録したスポンサー賞がどう掲載されているのか、(私にとってのNo.1です)

 ほんの一縷だけ、もしかして実は追加で敢闘賞が300作品くらいあって入っていたりしないか……

 

などと気になってほぼお祭り気分で見に行ったら、予想外のところ(というか掲載があるの自体が予想外)に見慣れたシンプルタイトル画面がありました。

 

 何をコメントして良いのやら、どう言えば適切なのか正直わかりません。

 とにかく、ありがとうござました。

 ティラノスクリプト/ビルダー開発者様、ノベルゲームコレクション及びフェス運営者様、

 隠さなきゃを遊んでくださった皆様、感想をくださった皆様、

 応援してくださった皆様、フリーノベルゲームというジャンルの皆様、ありがとうございました。

 

 審査員特別賞の説明テキストには以下のように書かれています。

 

ゲームのおもしろさと前衛的な表現を両立させた特筆すべき出来栄えの作品

 

 前衛的な表現……たぶんその辺りで辛うじて拾っていただけたのかなと思います。 

 もちろん嬉しいです。しかし同時に、身に余る栄誉であるとも感じます。

 

 「隠さなきゃ」は正直、ゲームとして基準のクオリティに達しているとは思いません。

 何故なら、表現したい、これを形にしてみたい、多くの人に読んでほしい、という一心で制作及びフェス参加をしたものの、私にはゲームプレイヤーとしての視点もクリエイターとしてのセンスも欠けているからです。

 絵的センスは壊滅的です。絵が描けない以前の問題で、デザインや色彩というものに全くこだわりを持たない人生でしたので。

 フェス開幕後に、(フェス全体からしたらほんの一部ですが)少しだけ他の方の作品を遊ばせていただいて分かりました。

 ストレスフリーなUI、魅力的な画面デザイン、現実の時間を思い出させることなくゲーム世界へ引き込む演出・構成、心理描写、筆力。

 そういった全てのものが、「隠さなきゃ」はどう考えても弱い。素人感まる出しです。

 評価していただけた(と思われる)部分に関しても偶然によるものが大きく、私の実力であるとは思えません。

 ただちょっと物珍しいだけです。

 今現時点でも、改善すべき部分はたくさんあります。

 それに率直に言って、来年もフェスに参加したとして賞どころか「隠さなきゃ」程のたくさんの反応をいただける自信もない。

 

 しかし賞をいただいた以上、もうあまり卑屈なことを言ってはいけないなとも思います。

 

 

 忘れていましたが、こんな作品でも出来上がった直後には

「えっ、我ながらこのゲームすごく面白いんじゃない!?」

と脱稿ハイの熱に浮かれて調子づいたものです。

 

 

 なので、改めて言い直します。

 

 

 賞をいただけたこと、非常に光栄です。

 誠にありがとうございました!!

 

 これが私が胸を張って、これからも染居 衣奈として抱えていく処女作「隠さなきゃ」です!

 

 皆様、ぜひ遊んでみてください。

ティラノゲームフェス2020 結果発表ページ

https://novelgame.jp/fes2020/result

ノベルゲーム「隠さなきゃ」

http://novelgame.jp/games/show/3944

 今頭の中に「俺たちの戦いはこれからだ!」的なBGMが流れています。

 いや、決まりましたね。本文最後。いいこと言ったわ。

 これで312番のこと少しは好きになれそうです。

 ちなみに312番がそこまで好きじゃない理由は「有名すぎて礼拝で来るとうんざりする」です。109番も同様。

 

 そういえばノベコレに開発者アンケートがあったので早速回答しました。

 質問項目に「PCのCPU/メモリは?」というのがあり、しかし把握してなかった()のでコンパネ見て調べたところ、何と今普段使いしている(ゲーム制作もしている)ノートPCさん、驚きのメモリ2.0GB……ま、まじかよ……道理で重いわけだよ……道理でフェスのエンディング見てたらPCごと落ちるわけだよ……。