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ぐらぐらする


 

 ぐらぐらする。ぐらぐらする。

 雨の降る日は何だか……

 …………。

 

 

 冬の太平洋側って全っっ然雨も雪も降らなかったな!!?

 ほぼ毎日晴れじゃなかった!?(それは言い過ぎかも)

 草田君すこぶる絶好調ですよこんなん。

 コハルさんも暇してますよ。

 

 山陰にいた頃と比べてあまりにも毎日天気がいいので、のほほんと過ごしているうちに前回のブログから2か月経過していました。

 もう春じゃん。

 

 そしてあっという間にティラノゲームフェス2021フィナーレ!!

 

 今日はそんなブログです。

 

 

 

その1.

 

ティラノゲームフェス2021閉幕

 今年もお祭りが終わってしまいました……。

 

 

・参加者(制作者)として

 拙作「ぐらぐらする」をたくさんの方に遊んでいただき、また感想をいただけて、作者として今年も大変幸せでした。

 遊んでくださった皆様、感想を書いてくださった皆様、コインで応援してくださった皆様、RTいいねしてくださった皆様、ブログ等で御紹介してくださった皆様、実況してくださった皆様、気にかけてくださった皆様、誠にありがとうございました。

 

・プレイヤーとして

 今年は去年よりもさらに少ないプレイ数となってしまい……それでも(感想未送信のものを含め)40作品近くを遊ばせていただきました。

 個性的な作品がたくさんあって楽しませていただきました。

 作者様方、制作お疲れ様でした。

 素敵な作品をありがとうございました。

 

 

 

 今年が2回目参加のぺーぺーな私が言うのもなんですが……。

 総じて、今年もノベコレ(ノベルゲームコレクション)らしい温かな雰囲気のフェスだったと思います。

 

 ティラノフェスの特徴のひとつは、感想(コメント)が飛び交いまくること。

 ぐらぐらするにも、有難いことにたくさんの感想をいただきました。

 

 創作者みんな思ってる(主語がデカい)と思いますけど……。

 

 普通、作品に対して感想をもらえることなんて、まず滅多にないですよね!

 

 でもノベコレ、特にTGF参加作品は違います。

 

 ふりーむでの100Play/DLあたりの感想数(まずこの程度では感想もらえない)と、ノベコレの同じ比での感想数では後者の方が圧倒的に多いし、フェス参加作品ならさらに上を行きます。

 

 きっと高級お菓子ギフト(ダイア玉達成報酬)の力……ではなく、これは当然、これまで長い時間をかけて文化を熟成してきたノベコレ運営様と界隈の方々(とTGFアルティメットorグランドマスター勢)のおかげなのだと思います。

 

 感想は創作者にとって生きる力です。

 1つの感想につき寿命が3年伸びるという研究論文があります(嘘)。

 

 でもそのくらい、自作を「遊んだ!」「見たよ!」と言ってもらえるだけで飛び上がるほど嬉しい。

 本当にありがたいことだと思います。

 

 翻って自分がプレイヤー側として楽しんだ際にも、なるべく感想を送(りつけ)るようにしていました。

 

 すると、多くの作者の方がお返事をくださるんですね。これもノベコレならではの、凄いことだと思います。

(お返事しない主義の作者さんもいらっしゃいます、当然! 全然普通だと思います。)

 

 感想をいただくと嬉しいのはもちろんですが、なかなか何をお返事していいか迷いますよね。私は1行捻り出すにもうんうん唸ります。

 もはや「やったー!!うれしい!ありがとう!」という幼児並みの単語しか思い浮かばない。でも頑張ってそれをまともな日本語に翻訳する。

 

 決して楽な作業ではないと知っているからこそ、ノベコレ通知欄に作者様からお返事が届いているのを見ると、これまた自作への感想が届いた時並みにテンションあがりました。

 

 TGF2021は昨年に引き続き、こうした「作者同士やプレイヤー様との距離の近さ」というノベコレの魅力が最大限発揮されたフェスだったと思います。

 

 参加された作者の皆様、遊んでくださったプレイヤーの皆様、何より運営様、素敵な時間をありがとうございました。

 

 

 

 ……と、ここで私、ひとつ謝罪することが。

 

 ティラノゲームフェス2021、今年も感謝の気持ちをこめてスポンサー登録をしていたのですが……。

 

 

 何か気づいたらスポンサー賞登録の〆切過ぎてた……!!!

 ごめんなさい!!

 

(言い訳というか結果論になってしまいますが、私が遊ばせていただいた中で賞を贈る候補にあがっていた作品は、概ね他の方からスポンサー賞を贈られていました。まあ、概ね……本当に申し訳ない。)

 

 

 そんなわけで染居 衣奈賞とかいう1ミリも価値のない賞を贈りつけることは叶いませんでしたが、その代わり……。

 

 私が感想をお送りした中で特に「好き!面白かった!」「私の好みドストライク!」と思った厳選10作品を以下に挙げさせていただきます。

(フェス参加作品にはこの50倍くらいの数の素晴らしいゲームが数多あることを申し添えておきます。)

 

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↓ちょっとした演出のセンスが素敵。ぜひ前作「ショートケーキ」から!

 

↓(私の中で)間違いなくTGF2021最高熱量の感想を書いた

 

↓謎解き楽しい&ドット絵が可愛い。「Wanted」もおすすめ

 

↓みんな大好き冒険×探索×ボーイミーツガール

 

↓冒頭文章で一気に引き込まれた「市にて」シリーズ最新作

 

↓ノベゲーに進出したサメは、なかなか奥が深い

 

↓最初から最後まで常に面白かった!と思ったら最後の最後にもっと面白かった!

 

↓THEホラーノベル① ギャグあり恋ありの王道オカルトゲー

 

↓超一推しのギャグホラー! 全然怖くないからみんなやって

 

↓THEホラーノベル② 読了感たっぷりの大ボリュームシナリオ作品

 

 ……10作品って結構きついですね。

 遊ばせていただいた他の作品も面白いのいっっっぱいあったのですが、泣く泣く省略させていただきました。

 

 というか私が遊んだのなんてフェス参加528作品の1割にも満たない!

 スポンサー賞を受賞された作品の2割もプレイしてない!

 ……みたいな状態なので、参考程度に考えてやってください。

 

 改めまして制作者の皆様、素敵な作品をありがとうございました。

 

 

 以下、TGF2021終盤の思い出↓

↑ふくびき、あまり回せませんでしたが最後の最後に石板のかけらきた!!!

 これ全部集めたら何があったんだろう……めっちゃ気になる。

 

 ふくびきコンプリート情報とかあげてる人いないかな。

 

 

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 さて、ここまででだいぶ長いブログになっていますが、まだ話題その1です。

 ブログ冒頭の目次のよれば、この後その2とその3があります。

 配分が下手くそすぎる。

 

 

 TGF2021関連の話題の最後に。

 

 

 私が参加させていただいた第四作「ぐらぐらする」にも

 大っっっ変ありがたいことにスポンサー賞をいただきました!

 

 ツイートでも言っていますが、改めて書かせてください。

 

一緒に雨宿りしま賞/雨宿りん様

(ノン)フィクション賞/村雨様

 

 スポンサー賞をいただけるなんてマジの本当に全く予想外でしたのに、そのうえお二方から!?

 非常に、非常に恐縮です。

 ページスクロールしながらリアルに「えええっ!?」って言ってました。

 

 そしてお二方ともタイトルが素敵……!

 あとお名前に両者「」が入っているの運命じゃありません!!!??

 

 昨年も大変勿体ない賞をいただきましたのに、まさか今年もこんなに嬉しいことがエンディングで待っているとは思いませんでした。

 人類は染居 衣奈のことをどんだけ依怙贔屓しているのでしょうか?

 

 エンディングページではお二方の素敵な全コメントも掲載されています。

 どちらも読んでいて、心がじんわり温かくなりました。

 誠に光栄です。

 

 「ぐらぐらする」は、とてもではありませんが万人受けするとは言えない作品です。

 特に、期間途中からノベコレの紹介文に加筆させていただきましたが、今お辛い気持ちを抱えていらっしゃる方には大変きついお話だろうと思います。(くれぐれも元気な時に遊んでいただければと思います。)

 

 ですが、魂こめて全力で制作に取り組んだ作品です。

 自分の好みやこだわりを詰め込んだ作品です。

 自分が創りたいから創りましたが、誰かに受け入れていただけるならこんなに幸せなことはありません。

 

 制作して本当に良かった。そう思わせていただきました。

 

 お二方に最大限の感謝を。

 そして「ぐらぐらする」を遊んでいただいた全ての方へ同じくらいの感謝を捧げます。

 ありがとうございました。

 

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TyranoGameFes 2021|エンディング

https://novelgame.jp/fes2021/result

 

↑他のスポンサー賞も熱量が半端ない!

 おひとりおひとりが情熱を持って作品を遊び、それをコメントにしてぶつけている、そんな印象を持ちました。

 やはりティラノフェスは温かいですね。

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(スポンサー賞についてはもう少しだけ語りたいことがありますが、それは最後にさせていただきます。)

 

 


 

その1長かったな……(疲労困憊)

しかし今回のブログは まだまだあります。

 

 

その2.

 

「ぐらぐらする」ネタバレあとがき

というか制作裏話

 

 

 え、こっから!? という感じではありますが、せっかく書き溜めたので書かせてください。

 

 昨年もTGF終わったあたりで「隠さなきゃ」のネタバレあとがきを書きましたが、今年も「ぐらぐらする」で語らせていただきます。

(ところでアドヴェントのあとがきも書くとか言っておいてまだ全然書いてません。すみません。ちなみに蕎麦ゲーにはあとがきとかないです。不要です。)

 

 昨年と同じくネタバレ全開ですので「プレイ済の方」or「今後プレイする予定のない方」or「細けぇこたぁいいんだよ!という方」のみこの先をお読みください。

 

 先に言っておきますと、とんでもなく長えです。

 今御覧いただいているウィンドウのスクロールバーを御確認いただければ分かるかと思います。

 

 飛ばす方は、右下の上矢印から一度ページトップへ戻っていただいて、目次から「その3.」へジャンプした方が早いと思います。

 

 

 では、ネタバレカウントダウン行きます。

 

 

   ↓5

 

 

   ↓4

 

 

   ↓3

 

 

   ↓2

 

 

   ↓1

 

ぐらぐらする

~ネタバレあとがきと制作裏話~

 

 

 以下、メモ的な文章かつ箇条書きで失礼いたします。

 

 

 

・タイトル

 

 「ぐらぐらする」という単語を思いついたのは随分前で、確かTGF2020の最中。

 初めて制作した「隠さなきゃ」に初感想をもらったり初参加のフェスの予想外の熱気に当てられたりして、非常に制作意欲が高まっていた頃。

 その頃たまに仕事の雰囲気がクソな時があって、そういう時に家に帰って一人でぼーっと布団に座っていると何となく、ぐらーっとした。

 

 「座っている=体勢が安定している、にも関わらず何だか『ぐらぐらする』なあ。面白いなあ。この言葉、いつか何かに使えそうだから覚えておこう」などと思った。

 

 

・一番最初に書いたシナリオ

 

 エンドクレジット直前の最後のシーン(彼女視点の自死のシーン)を書いたのが確か去年の今頃、TGF2020が終わったくらい。

 まだストーリーもジャンルもキャラも、全く何も決まっていない頃。

 仕事がクソオブクソすぎたある日の夜というか未明、ふと「ハッ!今ならいい鬱文章が書ける気がする!」とパソコンへ向かった。

(心配しないでいただきたいので念押ししておくが、このとき別に死にたかったわけではない。あくまで創作である。)

 

 正直「隠さなきゃ」に初心者には勿体なさ過ぎる賞をいただいたことで次作への意欲が高まると同時に、内臓が重くなるようなプレッシャーも(勝手に)感じていたので、何でもいいからアイデアが欲しかった。

 

 

・構想

 

 その後、なーんにも思いつかないまま2ヶ月ほど過ぎる。引っ越しが落ち着いて、何となくネタを思いついてきたのが昨年5月頃。

 なお、引っ越し時の記憶が新しかったため第1章(4月)での草田のひとり言は書きやすかった。ゴミの出し方表は3枚もいらない(何故かポストに入ってた)。

 

 この時点での主軸は①ホラージャンルの②一本道or選択肢少なめノベルで③唱歌アメフリをBGMに使おう、という感じ。

 公開直後のブログ(2021.08.31.隠さなきゃ1周年&新作ぐらぐらする公開)の内容と被るので適宜コピペしながらまとめる。

 

 

①ホラー要素

 

 それまで制作した3作品がバラバラなジャンルだったため、できれば四作目も新しいジャンルに挑戦したかった。

 元々ホラー好き、かつフリゲといえばホラーでしょ!と思っていたのでそっち系に。

(結果的にホラーは添え物になったけど。)

 

 もっと詳しい経緯は前述のブログで書いたので、そちらで。……と思ったけど誰も知らないと思うので以下にコピペする。

 

----引用始め----

 

 フリーゲームといえばホラーだよなァ!?(偏見)

 

 ……っていうのはずっと思ってました。

 好きな作品、たくさんあります。

 同人作品を挙げさせていただくのは控えますが、代わりにフリーゲームじゃないけど商用でひとつ(ふたつ)挙げさせていただきたい。

 

 私、人生で(たぶん)初めてプレイしたノベルゲームが一部界隈でとっても有名な「歪みの国のアリス」でした。

 そこから入ってナイトメア・プロジェクト様(以下、NP)のゲームは今のところ全てプレイしているのですが、中でも創作的な意味で刺激を受けたホラー作品がひとつ。

 

 NP第二作の「一夜怪談」です。

 これを遊んだ頃、大人になったら萩間みたいな間取りの部屋で一人暮らししてみたいなと憧れました(?)。

 (その夢は叶いました。)

 

 そう、私の中でこう思ってました。

 

 

 短編ホラーノベルといえば二十代男性の一人暮らしだよなァ!?(すげえ偏見)

 

 

 ……そんな着眼点から、ぐらぐらするの主人公は決まりました。(本当です。)

 (あれ? 今気づきましたけど萩間って二十代か? もしかして19……?)

 

 もちろん拙作は「一夜怪談」のような探索要素もびっくり要素もキャラの魅力もクオリティもなく、面白さは足元にも及びません。でも影響があったのは確かです。

 

----引用終り----

 

 ↑長かったので最後少し省略した。一夜怪談はいいぞ。



②選択肢少なめ

 

 こちらも同じ日のブログの続きに書いたので、そちらをコピペする。

 

----引用始め----

 

 もしかして昨年のTGFで「隠さなきゃ」を遊んでくださった方には、期待外れだったかもしれませんが……。

 今回「ぐらぐらする」では、選択肢は約2か所しかありません。

 ENDも2つだけです。

 

 これについては結構、TGF2020での経験が影響してます。

 

 昨年は「ゲームをつくろう」という意志の下でネタ出し及び制作をしていました。

 どうやって分岐させようか、ENDもたくさん用意してやろう、True END到達にはひとつ仕掛けを……など。

 

 しかしTGF2020で色んな方の作品を遊ばせていただいて、考えを改めました。

 

 『一本道ノベル』、ええやん……!

 

 一本道あるいは選択肢の少ないノベルゲームで「面白い」「好きだ」と思った作品がたくさんありましたので、自分でもこういうの作ってみたいな、と。

 一本道です、と最初に言っている作品の魅力のひとつは「あ、難しい攻略はないんだな」と楽な気持ちでゲームをスタートできる点だと思います。読むだけでいいんだ、と。

 (もちろん、たくさんルートがあって攻略要素があって……な作品も好きです。)

 

 私が今まで制作した三作品はすべて複数分岐・複数ENDでしたので、たまにはそういうのなしのがあっても良いんじゃないかなあ……。

 ……みたいな感じで、計2Endとなりました。

 

----引用終り----

 

↑ちなみにTGF2020では、最も印象に残った一本道ノベル作品へ僭越ながらスポンサー賞を贈らせていただいた。

 

 

③唱歌「アメフリ」

 

 ほとんどの方が御存知であろう「♪あめあめ ふれふれ かあさんが~」の曲である。

 初出は東京社の児童雑誌「コドモノクニ」1925(大正14)年11月号。

 作詞・北原白秋、作曲・中山晋平。

 

 私の歴代ブログタイトルから分かる人には分かるように、昔の唱歌が結構好き。

 思えば小学生の頃は流行りの歌など全く知らないし興味もない子供で、鼻歌といえば学校で習った曲orピアノで習ったジブリの曲だった。

 音楽の授業で使う児童用の歌集を家でも開き、一人でよく歌ってた。

 

 当時一番のお気に入り曲は「横浜市歌」。

 明治42(1909)年にしてあの先進的なメロディーすごくねえですか。

 歌詞に我らハマっこのプライドが透けて見えるところも好き。

 作詞・森鴎外、作曲・南能衛という豪華クリエイター陣。

 

----ココカラとばしてOK----

03/10のどうでもいい加筆

 南能衛(みなみ よしえ)……Wikipediaとか見ると代表曲は「横浜市歌」と「村の鍛冶屋」(文部省唱歌)くらいしか出てきませんが、能衛といえば明治期の東京音楽学校で小学唱歌教科書編纂委員だった方……つまりあの「尋常小学読本唱歌」「尋常小学唱歌」を編纂したメンバー!←テンションあがるポイントですココ。「尋常小学読本唱歌」「尋常小学唱歌」とは、明治期に文部省が東京音楽学校に命じて編纂させた唱歌の教科書です。掲載された曲の中で現在の教科書にも生き残っているのは「故郷」「春が来た」「茶摘」「朧月夜」などなど……。当時、作詞作曲者は伏せられ、全曲とも「著作権者 文部省」という形で発表されました。後に作者の判明した曲もあります(故郷朧月夜」の作詞 高野辰之・作曲 岡野貞一など)が、多くは現在でも「作詞作曲 不詳」となっています。なかでも能衛の手掛けたものは、ほとんど分かっていません。編纂委員だったのですから、おそらく「村の鍛冶屋」以外にも多く作曲していたはず。横浜市歌がスーパー素晴らしい出来であるがゆえに気になりますが、当時の資料がほとんど残っておらず、また彼に関しては証言者も少なく、謎のままです。ロマンですね。

参考文献

 池田小百合 なっとく 童謡・唱歌 https://www.ne.jp/asahi/sayuri/home/doyobook/doyostudy09.htm

----ココマデとばしてOK----

 

 話を戻しまして。

 

 染居 衣奈、いつかパブリックドメインの唱歌をメインBGMにした『唱歌ゲー』をつくりたいと目論んでいる。

 もう1年くらい言ってる。

 実はもう世界観も大まかなストーリーもキャラも決まっていて、使用予定曲の一覧も出来ている。

 だがしかしシナリオが全然進まな……ゲフンゲフン。

 

 構想ではそちらで30曲くらいをメインに使おうとしているが、「アメフリ」については歌詞が作品テーマから逸れるため早々にリストから外していた。

 が、何と言っても「アメフリ」といえば国民知名度5指に入るんじゃね?くらいの超有名な童謡・唱歌である。

 捨てるに惜しい。何かには使いたい。

 

 というわけで習作を兼ねて「アメフリ」で一作品つくることにした。

 それ用の編曲もして、ストーリーに合わせた明るめの通常バージョン、ララバイバージョン、ワルツバージョンの3つを用意した。

 

 ……と言ってもこれは「ぐらぐらする」とは別のシナリオ。

 結局、あまり面白くならなかったのでボツになった。

 これが一昨年の秋くらい(これまたTGF2020の頃)。

 

 その後、「ぐらぐらする」のシナリオに合わせて昨年5~8月にかけて細かくアレンジを変えていった。

 そうして出来上がったアメフリBGMについて、先刻から引用している公開直後のブログでも軽く触れているので例によってコピペしておく。

 

----引用始め----

 

 今回、BGM結構お気に入り!!!(3種しかないけど)

 

 これは99%、原曲が名曲すぎるからです。

 さすがは100年近くも歌い継がれる曲です。

 

 というのは置いておいても、わりと間際まで編曲にはこだわりました。

 とくに最後のエンドクレジット曲に至っては、最終的に全メロディー&構成を決定できたのが公開前夜の8月28日夜!

 仕事終わりに最後のピースが降ってきました。

 

----引用終り----

 

 ↑最後のエンドクレジット曲とはワルツバージョンのこと。

 ラストシーン+エンドクレジットの曲。

 超お気に入りのため、今年の初めにBGM動画を作成・公開した。

 

 その際のブログ(というか前回のブログ)でBGM×3バージョンについて説明していたのでそちらも引用する。

 

----引用始め----

 

①通常「アメフリ」

 ズンチャッ♪ズンチャッ♪ってやつ。

 職場でよく流れるため別名「頑張れ草田のテーマ」。社会の荒波に負けるな。

1番:主旋律のみ

2番:主旋律+アルトパート

3番:主旋律+テノールパート(1オクターヴ上げ)

4番:主旋律+バスパート

5番:全部乗せ!

 各パートは私が考えたハモりなので、実は若干コードが合ってなかったりもする。

 なお3番と4番、及び4番と5番の間奏にワルツver.のメロディーを入れ込んだ。

 王道のハ長調。

 

 ②ララバイver.「アメフリ」

 ゆったりしたテンポで聞いてると眠くなってくる。

 家でよく流れる。

 使い勝手が良い。これもハ長調。

 

 ③ワルツver.「アメフリ」

 ストリングス三拍子にしてみた。

 エンディングで流れる。

 3番と4番のメロディーは、それぞれ通常ver.のテノール&バスのパートを流用した。

 ワルツといえば変ホ長調だよなァ!?と何故か思っていたので変ホ長調になった。

(子供の頃ピアノで習ったチャイコフスキーのワルツが好きだった)

 

 我ながらめっちゃお気に入り。

 

----引用終り----

 

 

↑通常&ララバイver.について「王道のハ長調」と言っているが、アメフリ原曲の初出はニ長調である(意外……)ことを申し添えておく。

 たぶんそれだと些かキーが高いので、現在の教科書等はたいていハ長調になっていると思う。

 

 動画を制作したのはワルツバージョンを全人類に聴いてほしかったのが半分と、もう残りの半分は「アメフリ」の歌詞に注目していただきたかったため。

 

 というわけで次は歌詞について。

 

 

・作中テーマのきっかけ

 4番の歌詞「キミキミ コノカサ サシタマヘ」

 

 (ちなみに動画置いておきます。)

 

 アメフリを「ぐらぐらする」のテーマにしようと思った決め手、もっと言うなら、未だ妄想段階の唱歌ゲーに入れられないことを惜しいと思った最大の要因が、その歌詞である。

 

 1節1節は短いながらも全部で5番まであるアメフリ。これがなかなか奥深い。

 

 ……という辺りは先述しているワルツバージョン動画を投稿した際の前回ブログで書いてるので、以下にコピペする。

 

 ----引用始め----

 

 この動画で注目してほしいのはズバリ、

 

 アメフリの歌詞であります!

 

 あめあめふれふれ、かあさんが~の1番が有名なアメフリですが、全部で5番まであります。

 

 全詞を御存知でない方はぜひ↑の動画を見るか、今すぐググってほしいんですが、

 この歌詞、3番あたりから私は「あれ?」って思いました。

 

 ……この『ボク』、ずいぶんと上から目線だな?

 

 すみません。あの北原白秋がそんな捻くれた作詞をしたかどうかは分からないんですが。

 個人的にはこう思ったよ、というだけなんですが。

 

 『ボク』は、『ヤナギノネカタ』※根方=根元で『ナイテヰル』子が

「傘を持っていないこと」を憐れんでいるのではなく、

「傘を持ってきてくれるお母さんがいないこと」を憐れんでいるようにも解釈できた。

 

 めっっっちゃ捻くれた考えだとはわかってますが、つまり

「僕はお母さんの蛇の目傘に入っていく(傘に入る=庇護下に入る)ことができるから、

 この傘は(庇護してくれる人のいない)可哀想な君にあげるよ」と。

 

 ……実はそんなところから「ぐらぐらする」の作中テーマのきっかけを得ました。

 だから草田はあんなに捻くれているんですね。

 

----引用終り----

 

 ↑歌詞はノベコレ版のゲームバッジにも引用させていただいた。

 

 End 1が4番の歌詞「キミキミ コノカサ サシタマヘ」

 End 2が3番の歌詞「アラアラ アノコ  ハ ヅブヌレダ」

 End 0が共通の歌詞「ピツチピツチ チヤツプチヤツプ ランランラン」

 

 カタカナの表記は「アメフリ」初出詞に合わせている。

 バッジの説明文にも一部引用した。

 またふりーむ!版をつくった際、クリア時にEnd名を表示するようアップデートしたが、End 1と2はバッジ名をそのままEnd名とした。

(End 0のみ、End名は「アメアメ フレフレ」としてバッジと分けた。)

 

 しかし酷い言われようだ、主人公。

 そんなわけで次は主人公について。

 

 

・主人公:草田 陽溜(ハルト)

 

 二十代男性が主人公のホラーノベルにすることと、最初に書いたシナリオやアメフリの歌詞などを何とか脳内で超合成した結果、「社会人」や「仕事」をテーマにしようと決まってきた。

 すると主人公・草田のパーソナリティも何となく見えてきた。

 

 一応(この時点ではまだ)ホラーもの(だと信じてた)なので、読んでくれている人が主人公とリアルに感覚を共有できることが重要だと思った。

 新入社員の立場は読者へ様々な説明的情報を与え、状況を伝えるのに都合がよかった。

 

 さらに先述したように、

 アメフリにおける「ボク」にあたる人物

=傘を持ってきてくれる母親のいる恵まれた子供

というイメージなので基本スペックの高い若者、というふうに。

 

・優秀な若者。生まれながらの天才というわけではないが「努力したら努力した分だけ着実に返ってくる」程度には頭が良く、逆に言えば「努力してもどうにもならない」ような挫折や大きな失敗は、それまでの人生において経験したことがなかった。

 

・基本的に何をやらせても平均以上にできるし、周囲の人に対しても人懐っこく愛嬌があって、常に話の中心にいる。リア充陽キャ(……と思っていたけど蓋を開けてみたらそんなに陽キャじゃなかったかも)。そうした性質を獲得できた要因には本人の資質以上に、恵まれた家庭環境によるサポートが大きかった、ということに本人はまだ気づいていない。

 

・末っ子長男。姉はいるものの8歳も年が離れているので、かなり可愛がられてきたと思う。(余談ながら、作者が高校生の頃、同級生で「うちの○○くん(弟)大好き!この前一緒にデートした!弟かわいいorかっこいい!弟と結婚したい!弟に彼女できたら超ショック!」……的なことを言っている女の子がいて(しかも複数人)印象に残っている。たぶんコハルはこのタイプの姉。)

 

・昔からお勉強ができて、好きな分野がそのまま得意分野で、それを専門的に学べる大学へ合格して、研究者を志して大学院へ進み、もう少しで子供の頃の夢の通りに『博士』になろうか……というところで、彼にとっては人生で一番大きな挫折を知る。実は研究は好きなのだが論文を書くのが苦手(End2で少し触れられる)。とはいえ非常に些細なことであり、彼の能力なら十分に乗り越えられる程度のもの。だが、そうして彼なりに悩んでいた頃に、コハルから頻繁に電話がかかってくるようになる。挫折を知らないため人への相談の仕方もわからず、コハルの何気ない言葉にプレッシャーと苛立ちを募らせていった。

 

・初めて社会人になるとはいえもう24歳、自分では精神的に十分大人だと思っている(いた)が、そういうあたりがまだ子供である。ゲーム本編において大学生から社会人になって本格的に働き出し、一人暮らしを経験し、少しずつ自分がそれまで周りに守られてきたことや甘えてきたことを自覚していく。

 

・ゲームではかなり薄情な印象を与えたかもしれないが、むしろ繊細で情のあるタイプだと(作者は)思っている。だからこそ罪悪感に耐えきれず、正気を保って生きていくためには完全に切り捨てるしかなかった。

 

・自分の感情に蓋をするために敢えて冷たく振る舞うのは彼の特徴のひとつ。ゲーム終盤で、中川さんに同調して田中さんについてかなり酷いことを言うシーンがある(End 1への分岐後)が、あれは田中さんに対する哀れみや後ろめたさを塗り潰すためである。それ以外にどうしたらいいのか、分からなかったのだと思う。

 

・End 2では、職場において彼本来の情のもろさを見せてしまう隙がまだ残っているため、加藤さんに対してお節介を焼くところが見られる。

 

・コハルの死(End 0)の後、彼がそうした生き方を確立させる(End 1)までの約1年半に渡る、成長物語。

 

・名前のハルトは「うららかな午後の陽溜まり」から(後述)

 

 

 ……と、ここに書き上げたうちの半分くらいまで設定を練った頃、ふと気づく。

 

 これ、ホラーゲームか……?

 

 

・もうひとりの主人公:草田 木晴(コハル)について

 

 気づいたら裏主人公的ポジションに就いていた。

 

 そもそも、私は女性が主人公or女性がメインの話しか書けないと思っている。

 第一作と第二作は女性主人公だし、第三作だってもう蕎麦女が主人公みたいなもんである。

 第四作の「ぐらぐらする」で一次創作では初めて男性主人公を書くことになったのだが、合間にコハル視点がなければきつかったなと思う。

 

 とはいえ彼女の死がすべての始まりであるがゆえ、彼女視点のシーンはすべて過去の記憶に過ぎない。

 ハルトがコハルの霊によって彼女の生前の記憶の夢を見させられている、という設定(←のちに触れるが、この解釈には議論の余地がある)であるため、ハルトも読者もそのシーン以外の彼女については知りようがない。

 

 よって裏主人公とか言いつつも、コハルのパーソナリティに関しては限定的にしか設定しなかった(できなかった)。

 

 

・普通の会社員。ハルトと違って特別優秀ではないが、かと言って別に要領が悪いというわけでもない。本当に普通。しかし優秀なハルトはもちろん、仕事熱心な父親やそのサポートを完璧にこなす母親を見てきたせいか、自分が家族の中で一番不出来であると思い込んでおり、自信が持てない。

 

・ハルトの設定でも書いた通り、弟大好き系の姉。年の離れた弟を可愛がるあまり、家庭内では自分のことを我慢してしまうところがある。長女タイプ。会社が辛くなってからも両親に相談することはできず、かと言ってまだ学生のハルトに重荷を背負わせたくもなかった。結果、本当の悩みは口にせず、中身のない雑談ばかりの電話をハルトにかけ続けてしまう。

 

・一番最初に書いたシナリオが思いっきり女性視点だったため、ハルトではなく彼女が必要だった。偏見かもしれないが個人的には「男性はあまり悩みを言語化しない」というイメージを持っている。そのため、あのシーンを男性であり、かつ女性的な性格というわけでもないハルトに置き換えるのは無理があると思った。(こういう男性・女性で区別する考え方は昨今時代遅れだろうな、とは思うのですが、自分はどうしても性別を最初の取っ掛かりにしてキャラクター設定を練る癖があるため御容赦いただきたい。)

 

・名前のコハルは「晴れた朝の木漏れ日」から(後述)

 

 

 余談。

 「ぐらぐらする」タイトル画面画像は「傘を持つ子供(幼い頃のハルトをイメージ)」を中心とする配置になっているが、先ほどの「アメフリ - ワルツver.」の動画サムネでは「傘を持つ子供」と「泣いている子供(コハルイメージ)」の中間あたりが中心に来ている。

 これは何となくW主人公感を出したかったため。後述するが、あのタイトル画面自体、コハルイメージでもあるので。

 

 

・誰もが「誰か」になってもらうために

 

 草田姉弟を基軸にシナリオを進めていた昨年6~7月頃、さすがに「これホラーじゃねえな……」と気づいてきた。

 でも「幽霊と見せかけて人間が怖い話」というのもホラーのセオリーだし……まあいいか!とゴリ押すことに。

 

 開き直ってからは、いかにリアルに寄せるかを考え始めた。

 

 このあたりは「隠さなきゃ」でお褒めいただいた点が非常に参考になった(当時は無意識だったので)。

 基本的には、あまり多くの情報を与えすぎない、ことがコツと当時学んだ。

 必要最低限の情報以外の部分は、各自の経験に基づいて各自で想像してもらう。

 その方がその人にとって、よりリアルなイメージにカスタマイズされるはずである。

 

 ……読者に丸投げする、とも言う。

 

 

・各キャラ立ち絵はなし

 早々に立ち絵は不要だなと思った。

 立ち絵によって人物の区別や話している人の表情などわかりやすくなるメリットがあるが、どうしても"キャラクター”めいてしまうデメリットもあると思う。二次元キャラになってしまうというか。

 ただしコハルだけは、逆にそのデメリットを利用して「リアルには存在しない」感じを出すためにシルエット立ち絵を用意した。

 

・地の文はなし

 これは「隠さなきゃ」でやって成功したことなので。

 普通に生活していて、ほとんどの人はいちいち状況を脳内で言語化することなく視覚や聴覚で得た情報をそのまま受け止めていると思う。

(と思ったけど、もしかして作者が日々何も考えずボーっと生きすぎなだけだろうか?)

 よって最初から言語として入ってくる会話情報以外は記述しないことに。

 ただし、またしてもコハル視点のシーンだけは例外で、あれは本来彼女しか知り得ないはずの記憶や感情がハルトへ流れ込んでいるシーンなので、言語化しないとハルトに伝わらない。

 そのためコハル視点では地の文が存在する。

 

・BGMはシンプルに。効果音を多めに

 これも「隠さなきゃ」での経験から。

 当たり前ながら現実の世界は声と環境音で構成されるため。

(じゃあボイスあってもいいのでは?と思うかもしれない。……確かに。)

 

・モブ感あふれる登場人物

 ハルトの愉快な同僚達について、誰が誰だか覚えにくいと思った方も多いと思う。

 作者である私も思った。特に名前。おじさん達の名前が覚えられない。

 ……実は覚えられなさ過ぎたので、シナリオ執筆時に自分用に常に用意しておいたキャラメモがNotesである。

(好評だったので実装して良かった。)

 何故こんなに覚えにくい名前なのかというと、あまり特徴的な名前にするとやはりキャラクター感が出てしまうと思ったから。

 学生時代を思い出し、学年に二人以上かぶっていた記憶のある苗字を優先的におじさん達へ割り振った。

 なお草田だけは、さすがに主人公なので汎用すぎる苗字にはしなかった。

 

 

・ゲーム全体的なデザイン

 

 何とかシナリオが書き上がったのは8月上旬になってからだった。遅い。

 ちなみにティラノゲームフェス2021の〆切は8月末である。

 

 シナリオがほぼ書き上がってから、素材集めとスクリプトに取り掛かった。(BGMは前述の通り既にある。)

 

 

 タイトル画面は(私の偏見にまみれた)「アメフリ」の歌詞のイメージから。

 お母さんの傘へ入る代わりに、自分が元々持っていた傘を不要とばかり投げ捨てるボク。

 泣いている子には気づいているけれど、構っている余裕などない。

 クリア前→後の画像変化により、効果的にテーマを投げかけられると思った。

 

 また、このタイトル画面はコハルの精神世界のようなイメージでもある。

 自分が死んだ日の、暗い雨の夜に閉じ込められているコハル。

 世界に雨の降らない場所などないというのに、自分は傘を持たず、また傘を差し出してくれる人もいない。

 唯一の光であった家族(少年=幼い頃のハルト)もあちら側へ行ってしまった。

 追い詰められ、少しバランスを崩せばすぐにでも後ろへ倒れて落ちてしまう。

 

 モノクロ画面は死後の世界をイメージしているのもあるが、「隠さなきゃ」が白っぽいタイトル画面だったのと真逆にしたい意図もあった。

 

 このタイトル画面に合わせてシステム画面等も黒地のモノクロ仕様にした。

 Notesだけは草田の手帳的なイメージで、白紙+三色ボールペンのカラーリング。

(ハルトの手帳なので、コハル視点のシーンではリンクアイコンが消える。)

 

(三色ボールペンなら普通、黒青緑じゃなくて黒青赤では?とは考えた。

 が、何だか赤を入れると血文字っぽくなってしまい……。ホラーとしては合ってるのかもしれないけど。

 それと白地に赤は「隠さなきゃ」を連想する(私は)ので、避けたくて。)

 

 シナリオを書いている間に結構しっかりとデザインを妄想できていたこともあって、そんなこんなで3週間ほどで残りの作業を終えられた。

 

 そしてver.1.00としてノベルゲームコレクション様で公開になったのが2021年8月29日。

 フェスに間に合ってほっと一息。

 

 そしてその後、1か月ほどアプデに追われた……。

 

 

・コハルの霊は存在したか

 

 さて、ここからは小ネタを。

 

 まずあれは本当にコハルの幽霊だったのか。

 少なくともコハルが死ぬまでのハルトは、全くオカルト関係を信じないタイプ。

 コハルが死んでからも、基本は変わらない。

 

 ゲームでは勘違いさせてしまったかもしれないが、コハルの霊がハルトの周りに現れ始めたのは一人暮らしをする前。

 彼女が死んでからずっと、たまにそういうのが見えていた。

 なので最初の章(4月)で彼女が姿を現した時もハルトは驚かなかった(というか完全無視)。

 

 しかし社会人以降、その頻度があがったのは確か。

 これは職場で過ごすうちに、徐々に人間関係が見えてきて何となくコハルの生前の状況について想像できるようになってきたため。

 そして自分がいかに子供だったかも、自覚してきた。

 それにより、分かったふうな口をきいて、追い詰められている彼女を突き放してしまった罪悪感が増していった。

 

 あれは、ハルトの罪悪感が見せた幻だったのかもしれない。

 

 ……という解釈でも通るようにシナリオは書いたつもり。

 

①幽霊の場合

 ハルトへの恨みor単に社会人になった彼を心配してとり憑いたコハル。心の隙をついて徐々に浸食していった。しかし一周忌の墓前で強く拒否されてハルトの元を離れたor成仏した。

 

②幻の場合

 母親と同じく彼女の死によって心を病み、自分を責める彼女の幻が見えるようになったハルト。コハル視点の記憶はすべて彼の想像。しかし一周忌の墓前で彼女への感情を切り捨てる覚悟をしたことで、もうコハルの幻が見えることはなくなった。

 

 あるいは①②のハイブリッド型でもOK。

 その場合、通常の黒いシルエットのコハルが①、第4章(7月)の赤いシルエットのコハルは②、墓前(ハルトの心の中)の白いシルエットのコハルはお好きな方で。

 

 

・傘女とは

 

 ただのネット怪談。

 だがもしかしたらハルトが事前にコハルからこの話を聞いていたために、コハルの霊が同じようなイメージで現れたのかもしれない。

 

 

・野球

 

 ハルトの職場でたびたび交わされる野球トーク。

 申し訳ない。作者は野球に欠片も興味がない。

 あれは野球であることは全く重要じゃなくて、一定以上の年齢の男性社員が世代を問わずみんなで話していそうな話題であれば正直何でも良かった。

(加藤さんは野球についてあまり詳しくないので、居心地の悪さを感じている。草田も興味はないけど。)

 そうした話題について、作者が「野球」「株」「競馬」くらいしか思いつけなかったため、そのうちの「野球」となった。

 

 

・End分岐選択肢

 

 ver.1.07以降、1周目のEndをEnd 2に固定するべく初回選択肢を「戻らない」のみとした。

 3月(End 1)の出来事も9月(End  2)の出来事も両方正史ではある(違う世界線なのは第5章(8月)だけ)ので、はじめはどちらからプレイしてもいいかな?と思っていた。

 しかしEnd 1を先に見るとその後のEnd 2でコハルの墓前シーンを全て既読スキップできてしまい、「あれ?まったく一緒?」となってしまうため、途中から強制でEnd 2→End 1とさせていただいた。

 

 ちなみにEnd 1へ行くための文字入力画面は、染居 衣奈の過去作関連ワードを入れても反応する(こういうの憧れで)ようになっているので、過去作プレイ済という大変奇特な方は試してみてほしい。

 

 

・ゲームの注意書き

 

 ブログその1でも言ったが、途中からノベコレ紹介文の冒頭に

「※作中の描写により精神的な御負担をおかけする場合がございます。心身、とくにメンタルに不調のある際はプレイをお控えすることをお勧めします。」

の注意書きを加えさせていただいた。

 

 これは誠に大変申し訳なかった。

 制作時点から、特にラストシーンが多くの方にとって辛いかもしれない、とは危惧していた。

 よってゲームスタート後、及び紹介文の中で「人の死に関する描写」がある旨を予告し、「心身への負担に十分ご注意ください」と書いた。

 あまり具体的に注意喚起するとネタバレになってしまうし、かと言ってネタバレを避けて曖昧な理由で「心配ならプレイしないで」と言ってしまうと正直なところ遊んでくれる方が減ってしまう、と思いそういう表現をした。

 だがこれは非常に自分本位な考え方で、遊んでくださる方を無視していると反省した。

 実際そういった感想をいただいたことで、上記の注意書きを加筆する決心がついた。

 御指摘いただいた方へは、心からのお詫びと感謝を。 

 

 

・各人物裏話

 

 ここではわりとどうでもいい補足情報を。

 あまり詳しい情報を出すと読者の方の想像を邪魔すると思い、ゲーム本編では最低限のパーソナリティーしか出さなかった。

 以下に書いてあることも、まあ参考程度に考えてほしい。

 

・加藤さん(23歳男性)

 一年目の頃は今の部署よりも穏やかなところで過ごしていたが、優秀だったので今の所へ送り込まれ、ギスギスした職場の空気にあてられてしまう。

 人の機微に敏感なので要らぬストレスを抱えがちだが、地頭が良いので草田に気に入られ、彼のフォローもあって何とか耐える。

 彼もこの一年でだいぶ逞しくなった(ならざるを得なかった)。

 将来は本社で草田の上司になってそう。(草田は組織の幹部というより技術者として第一線で上り詰めそうなので)

 

・藤原さん(30代前半女性)

 End 2への分岐後シーンで触れたが、20代の頃は会社をやめようか、あるいは……とかなり悩んだこともあった。

 何とか耐え抜き、今では図太いメンタルを手に入れた。

 その頃の恩で田中さんに対して同情的。(だが草田にしてみれば「だから何だよ」という感じである。)

 独身。裏設定で、実は高橋さん以上の素早さで定時退社しているが速すぎて誰も気づかない、というのがある。

 

 彼女もそうだし、若手(概ね)メンバー皆に対して意識したことだが、「恋愛要素」になりそうな雰囲気を一切排除することを心掛けた。

 本作品においてそういうのが垣間見えると、どう考えても邪魔なので……。

(例えばコハルが精神的に辛かった時、実は結婚間近の恋人にフラれたのも重なって~みたいなエピソードがもしもあったとしたら(ないよ)何もかも台無しである。テーマから逸れすぎる。)

 ハルトも年齢・能力的に彼女いそう(たぶんこいつは顔も悪くない。あと姉がいる弟ってモテるイメージ)だと当初思ったが、お話の邪魔になりそうなので触れなかった。

 今では「大学の研究室が忙しすぎて、しばらく恋人はいない」という裏設定。

 というかハルトの恋人とか……大変そう。

 

・高橋さん(30代後半男性)

 独身貴族。彼には特に語るほどの設定はない。

 たぶん定時ダッシュして家でゲ制とかしてる(今適当に考えた)。

 

・木村さん(40代前半男性)

 ちょうど中間の世代。

 作者的には、30代以下と50代以上でワークライフバランスへの考え方に世代間格差があるように思う。

 職場ではおどおどして何かと失敗しがちだが、家に帰ればできた愛妻家の夫。

 

・渡辺さん(40代後半男性)

 彼もまた、どちらかというと中間世代。

 本当はもっと出世する能力があるが、この人もまた家族を優先する人なので今の地位に留まっている。

 また、今はまだ上の世代が残っているので爪を隠しているが、それらが概ねいなくなった頃に本領発揮して組織を変えていくと共に、草田のような優秀な社員をプッシュしていく予定。

 

・田中さん(50代前半男性)

 彼の描写は非常に難しかった。

 気を付けたのは、あまり気弱な人として書かないようにした。(例えば課長に怒られてぺこぺこ謝り倒している……みたいな書き方はしないように。)

 自分の非は自分でもわかっていて認めているが、過度な𠮟責や中傷に対しては彼なりに思う所があるので。

 仕事の失敗は多いが、彼なりに事情があり、もちろん好きでそういう状態なわけではない。

 もう少し上手くやることもできるかもしれないが、引き換えに誰かを攻撃するくらいなら今の状態の方がましだと思っている。(優しさというより、同じになりたくないという気持ちから。)

 草田や加藤さんなど、おじさん世代に振り回される若者に対しては、同情している。

 裏設定で、野球はロッテファン。(職場では絶対言わないし、中川さんも知らない。)

  

・中川さん(50代前半男性)

 彼自身とても優秀で、人に求めるレベルも高い。

 そのレベルに達している人物(草田や加藤)に対しては非常に面倒見がよいが、それ以外の人に対して当たりがきつくなりがち。

 だが彼がいないと仕事が回らないため、表立っては誰も注意できない。

 田中さんとは同期。そのせいで昔から要らぬとばっちりを受けたり、面倒を見させられたり、セット扱いで不当に評価されたりしてきた。

 

・佐藤さん(59歳男性)

 退職後はたまに畑の収穫物を提供しに職場を訪れる。

 ちなみに作者は、End 2分岐後のシーンで彼が言う「(定年後に再雇用で働くくらいなら)娘にこき使われて、孫の世話してた方がましだよ」という台詞がとてもお気に入り。

 

・鈴木課長(50代後半男性)

 それなりに年次を積み重ねてきた結果、順当に職位があがって幹部になったというタイプ。

 超有能上司というわけではないが、能力的に不足があるわけでもない。

 まあまあ良い塩梅でやっている方だと思う。

(それでも中川さんや渡辺さんの負担が増してしまっているのは鈴木課長のせいというより、もう組織全体の問題。)

 定年も近いのでそれ以上出世はなく、本人にもその気がない。

  

・菊池さん(60代前半男性)

 本社でバリバリやってきた優秀な人だが、柔軟な思考で時代の変化も察知しており、今のままの職場では駄目だと思っている。

 だが結局、現役時代に変革は叶わなかった悔しさを抱えている。

 のんびり構えているように見えるが、やり手。組織や仕事について色々策をめぐらせたり、そのために後進を育成したりするのが好き。

 まだ当分辞めないと思う。

 

・草田父

 昔から仕事一筋で、子供の教育は妻に任せきりだった。

 コハルは特に父親の印象が薄い。

 ハルトも同じだったが、コハルの死とそれによる母親の精神病をきっかけに父親と連携せざるを得なくなり、結果的に親子の理解を深めた。

 現在は妻である草田母のことが心配なのと、生前コハルの様子に気づかなかった後悔などから、以前より仕事をセーブしてハルトのことも気にかけている。

 

・草田母

 仕事一筋の夫の代わりに、家事や子供の教育などを一手に引き受けてきた。パート主婦。

 ゲーム本編Notesで「草田家の太陽」と書いたように、本来明るい性格で、いつも笑顔で苦労を感じさせず家族の面倒を見てきた人。

 だがコハルの死をきっかけに精神を病んでしまう。

 ゲーム中にハルトへ電話をかけた際に「何か用?」『用っていうか……、生存確認』という会話をするが、これはガチの生存確認である(彼女は無意識)。

 彼女もまた、一周忌を機にコハルの死を受け入れる。

 

 

・大人とは

 

 今回シナリオよりも先に「ぐらぐらする」という言葉のアイデアがあった、という話は最初の方にした。

 しかしこのお話に「ぐらぐらする」のタイトルをつけようと思った最後の一押しは、終盤シーンで対応するハルトの台詞を思いついたことから。

 

 「隠さなきゃ」ではタイトルに対応するセリフがラストシーンにあったのでわかりやすかったと思うが、今回は分かりにくかったと思う。というか分かりやすくできなかった。申し訳ない。

(そのうえハルト以外に、コハルや同僚達もそれっぽいことを言う。)

 

 しかし一番の本命はEnd 1への分岐後、コハルの墓前での回想シーン。

 死ぬ直前のコハルへ、ハルトが最期(から2番目くらい)に放った台詞。

 

『社会人にもなって学生の俺に自分のメンタルコントロールさせるとか何考えてんだよ。

 そんくらい自分でやれよ。

 自分の不備を人に始末させるな。

 それが、』 

 

 ぐらぐらせず、誰にも寄りかからず、一人で安定して立っていられる人。

 自立した大人

 

 当時のハルトは、自分もそうなれる自信があった、あるいはもう既にそういう成人の一人だと思っていた。

 だから自分より先に社会人になって、ずっと年上の「姉」だったコハルが、今になって自分を頼り、甘えてくることが嫌だった。情けないと思った。

 

 実際には一人で立っている人間など存在しないのに。

 誰しもがぐらぐらぐらぐらしながらも必死にこらえ、あるいは何かに掴まって、支えを見つけて、何とか生きている。

 

 それに気づいた時、抱えたままでは生きていけない程の罪悪感が、楔となって草田 陽溜の心を穿った。

 

 

・家族と太陽

 

 最後に。

 

 コハルにとって、太陽は家族の象徴だった。

 コハルが死を思い立った時(第5章(8月)冒頭の彼女視点)の以下のテキストは、家族のことを言っている。

 

優しく懐かしい太陽→母親

晴れた朝の木漏れ日→自分

うららかな午後の陽溜まり→ハルト

(父親とはあまり関わりがない。)

 

 猛烈な雨の中に差し込んだ一筋の光が、彼女に家族のことを思い出させた。

 そしてハルトへ最後の電話をかけた。

 

 

 

 ハルトは自分の言葉でコハルを死なせたかもしれないだけでなく、それによって「太陽」だった母を変えてしまった、また父も一時期仕事を休まざる得なくなるなど家族に大きな影響を及ぼしてしまった。

 そんな後ろめたさから実家へいることが辛くなり、子供の頃からの夢(博士)を完全に諦め、母親へは嘘をついて遠く離れた地方への就職を希望した。

 

 

 今まで守られてきた家族の傘を捨て、これからは自分の力で雨を凌ぎながら、社会で生きていく。

 

 

 

↓クリア後タイトル画面↓

(ゲーム画面だと左端の地面の変化がわかりにくい……)


 

 

 

 ……な、長かった。

 やっと書き上がった。これもう一本のシナリオ並みの文章量だよ。

 

 そしてブログはまだ続く!

 (いつ終わんのこれ。)

 

 

 

その3.

 

ぐだぐだする

 

 

 ふざけてんじゃねーぞと思った方、すいません。

 最後にもうちょっとだけ語りたい。

 

 

 突然ですが、私が創作において重要視していることについて。

 

 特にフリーゲームなどの非商用一次創作、または二次創作など「好きで創った作品」に求めているものは、

 圧倒的な個性

 それだけです。

 

 プレイヤー側の時も創作者側の時も同じです。

 商用作品であれば総合的にクオリティが高く万人受けすることが必須でしょうが、非商用作品に関してそういったことは求めていません(私は)。

 何なら、個性>>>クオリティです(私は)。

 

 遊ぶ/読むなら、その作品でしか見られないアイデアor熱量のあふれたものを遊びたい/読みたいし、

 創るなら、私以外の誰にも創れないものが創りたい。

 

 その結果、変化球すぎてほとんどの人に受け入れられなくてもいい。(受け入れられるに越したことないですけど。)

 

 百人に好かれるよりも、圧倒的な個性でもって誰か一人の心を突き刺したい

 

 

 ……たかがゲ制2年生がナマ言ってサーセン。

 何で急にこんなことを言い出したかというと、まあ最近↑の願いが目に見える形で叶ったからですね。

 

 TGF2021スポンサー賞です。

 

 

 ――これから以下に申し上げる内容で、おそらく気分を害される方がいらっしゃると思います。

 

 じゃあ言うなよ、なんですが、すみません言わせてください。

 何故ならテンション上がりすぎてTwitterで中途半端に言及してしまったから……(ちょっと失敗した)。

 

 

 気持ちよく終わりたい方(特にフェス参加者の方)は、ブラウザバックで。

 

 

 ブラウザバックしましたか?

 タブorウィンドウごと消しましたか?

 

 あと念のため言っておきますが、一部Twitter界隈で流行りの「スポンサー賞偏ってる(のか……?)」に関連するお気持ち表明とはまったくの無関係です。

(もっともっとめんどくせえ感じのお気持ち表明です。)

 期待してここまで読んでしまった方ごめんなさい。

 舌打ちしながらブラウザバックしてください。

 

 

 ブラウザバックしましたか?

 もう「細けぇこたぁいいんだよ!という方」しか残ってませんね?

 

 

 じゃあ、話を戻すんですけども。

 

 Twitetrで言ってしまったんですが……。

 今回のTGF2021において私は、参加する前から

 

 スポンサー賞が欲しかった。

 

 

 色々とツッコミどころはあると思います。

 まずスポンサー賞って狙うもんじゃねえ。

 そういう賞じゃねえ。

 

 スポンサー賞とは、各スポンサー様方(敢えて言いますが、ただの個人ノベコレ会員様)が各々の基準により「プレイできた範囲内」で「個人的に好きだと思った作品」へ「全力で愛を叫ぶ」ために贈る賞ですから(議論の余地あり)。

 作品評価的側面を持つ公式賞とは違うわけです。

 

※超重要※

 スポンサー賞が欲しかったことと、公式賞が廃止されたこととは、全く関係ありません。

 公式賞がないなら……とかでは全っっ然ないです。

 この先を読み進めていけばわかると思います。

 

 じゃあ何で欲しかったかというと、ひとつは先述しました。

 

 百人に好かれるよりも、圧倒的な個性でもって誰か一人の心を突き刺したい

 

 スポンサー賞ってまさにこれじゃないですか?(議論の余地あり)。

 だから選ばれてみたかったし、実際お二方にいただけて涙が出る程嬉しかった。

 

 

 スポンサー賞にこだわった理由はもうひとつあります。

 

 ……そしてこれがブラウザバック案件です。

 

 

 本ブログその2のネタバレあとがきの方で、「ぐらぐらする」最初のシナリオを書いたのが昨年の今頃だと述べました。

 TGF2020が終了して今年と同様にエンディング・リザルトが公開された頃です。

 

 そこで拙作「隠さなきゃ」に、審査員特別賞という本当に勿体ない公式賞をいただきました。

 これは本当のマジにまったくの予想外でめちゃくちゃビビッてえええええっ!?って感じでそれで有耶無耶になってたんですが。

 

 ですが実はあの、誰にも言ってなかったんですが(言うようなことではない)……

 

 どなたからもスポンサー賞をいただけなかったことが実はめちゃくちゃ悔しかった

 

 袋叩きにされても文句は言えないと思います。本当にハイパー贅沢なことを言っています。すみません。ごめんなさい。大変申し訳ございません。

 

 自分の欲深さには呆れ果てるばかりです。

 

 「隠さなきゃ」自体がゲーム総合的な出来栄えの観点でいえば本来賞からは程遠い完成度であるにも関わらず、偶発的に取り込まれた要素に大きく起因する物珍しさから、かろうじて特別賞に引っかかった(前衛的な表現ってあたり)……という感じでしたから。

 

 ハナから賞をいただけるような作品ではないわけです。

 ……とは分かっていても正直残念だった。

 

 

 公式的に選ばれる数十作品くらいの枠の中へは(大変ありがたいことに)入れていただいたけれど、

 数十人くらいいらっしゃるスポンサー様方の中の誰の一番にもなれなかった

 

 そりゃそうです。もっともっと面白いゲームは星の数ほどありますから。

 

 今年のフェス閉幕後のTwitterだったかnoteだったか忘れましたが、どなたかも仰ってました。

 誰かの1番になるのってそりゃ難しいですよね。場合によっては部門賞を取るより難しい。

 

 あるいはもしかしたら、TGFスポンサーにこそなっていなかったけれど「隠さなきゃ」を遊んでくださった方の中で「これが一番印象に残った!」と思ってくださった方がいらっしゃったかもしれない。

 

 でも申し訳ないが、それは言ってくれないと私にはわからない。

 

 

 もし2021年8月末までに次の作品を完成させられたら、

 TGF2021へ参加してスポンサー賞をいただいてみたい。

 

 

 ――そんなわけで作戦を練りました。

 

 重ねて言いますがツッコミどころしかないと思います。

 スポンサー賞の作戦って何だよ。

 

 

 ……どこかで見ましたが、多くの方と交流する、というのは確かにある意味作戦かもしれませんね。

 なるべく多くの方の目に触れて、まず遊んでもらわなければスタート地点にも立てませんから。

 Twitter、バーチャルフェス、ノベコレ応援……色々手段はある気もします。

 

 またこれは創作的な面でもメリットがありそうです。

 選り好みせず多くの物事をインプット/アウトプットされている方は、何事においても成長が早い気がしますので。

 

 

 ですが、まあ無理です。

 何故なら私がコミュ障だからです。

 

  制作・著作

 ―

 N○K

 

(私は普段からインプットするものを選り好みしてしまったり、他の方が良いと言っていると逆にやりたくなくなってしまったりしますので、↑ができる時点で尊敬します。

 誰にでも出来ることではありません。

 

 

 さて自分が昨年選んだ時のことを思い出しますと、スポンサー賞を選ぶ基準は主に2つでした。

 

①ゲーム総合的に出来栄えが良い

②作品独自の個性が私の心にクリティカルヒット

 

 言うまでもなく私は②>①で選んでましたが、全員が全員そうではないと思います。

(あと、公式が選ばなさそうな作品へ……的な動きもあったそうですね。私はそういったことは全く考えなかった。)

 

 正攻法で行くならば①狙い、つまりクオリティの高いゲームを作ればいい。

 

 ……まあ、無理ですね!

 

 そんなわけで元々自分の好みの路線である②(✕私の心→○誰かの心)の一点突破で行くことに。

(あれ? それっていつも通りでは……?)

 

 そして「ぐらぐらする」のネタを具体的に思いついた頃のTwitter↓

 

 これ、かなりぼかしていますが、まぎれもなく「意訳:スポンサー賞ほしい」です。

 大それた目標を掲げている癖に自信はゼロだったのでこんな言い方をしています。

 

 「ぐらぐらする」は路線的に、おそらく一部の方にしかピンと来ない作品になるだろうなと、この時点で思っていました。

 (あとあれですね。申し訳ないけれど実況には向きませんね。色んな意味で。)

 

 しかしだからこそ、その一部の方の心を穿つポテンシャルがあるとも思った。

 なのでその可能性に賭けて、そのまま突っ切りました。

 

 それでも偶発性が大きい(というか偶発性しかない?)ことは間違いありませんし、正直「ぐらぐらする」はそれにふさわしいクオリティに仕上がったかというと……?でしたので、フェスエンディングまで期待していませんでした。

 

 

 その結果に対する多大なる感謝は、先に述べた通りです。

 

 

 


  

 ……さて、その1&その2&その3を経て、これようやく「ティラノゲームフェス2021」「ぐらぐらする」について今語りたいことは語り尽くせました。

 やっとこのブログ終われる。

 

 全部で何文字あったんですかこれ。

 クッ、この1割でも長編のシナリオを進めることができればどんなに……!

 

 

 さて、近況も少しばかり。

 

 ふりーむさんからバッジもらったぞー。

 

 

 バッジと思いきや磁石だった!(あと送られてきた封筒の手書きイラストが可愛い)

 

 こちらは以下の企画の景品です。

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ふりーむ!企画:お正月までにゲームを完成させよう!

「招福ゲ制キャンペーン」

https://www.freem.ne.jp/special/project/134

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 期間内にゲームをアップロードすると抽選で景品が当たるよーというやつです。

 ぐらぐらするを投稿した際にエントリーしました。

 

 確か去年も蕎麦ゲーで似たような企画に当選した記憶。

 チョコも確かいただきましたね。

 

 もらえるもんはもらっとこう精神なので嬉しいです!

 ありがとうございます。

 

 

 本日はこの辺りで。

 長い時間お付き合いいただきまして誠にありがとうございました。

 染居 衣奈でした。

 

あとがきを書くにあたって、久しぶりにエンディングに使用したamefuri_valse.ogg(アメフリ - ワルツver.)を聞きました。うーん好き。

前回ブログのここで書きましたが、今年はTGF参加を必須目標にしておりません。

でも今年もこんなにいい思いをさせていただいてしまって……やっぱり参加したい気も。どうしよう……※なお次作のネタはまだ何もない